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ユニコーン企業の政治戦略

このブログを見てくれる人は知っていると思うのだけど、一応ユニコーン企業について説明。日経新聞ががんばって作ったと思われる特集ページがあったのでそちらから抜粋。

世界で台頭 巨大ベンチャー「ユニコーン」勢力図:日本経済新聞

非上場にもかかわらず、企業価値が10億ドルを突破する有望ベンチャー。めったに姿をみせないという意味合いを込め、伝説の生き物である「ユニコーン(一角獣)」と米国で呼ばれ…

この中でも特に注目を集めてるのがUber(ウーバー)とAirbnb(エアービーアンドビー)の2社だと思う。調達金額だけでなく、サービス自体が既存事業をIT化することで成立しており、世界中の至る所で議論を巻き起こしてるからだ。

ユニコーン企業の事業と既存制度の戦い

Airbnbの現状を詳しくまとめてある記事があったので紹介。今年の3月17日、緊急フォーラム「民泊の真実~今、観光大国フランスで起こっていること~」が開催されたらしい。

1manken.hatenablog.com

リンク先にも書いてあるが、Airbnbを一言で表せば、「”ホテルを所有しない巨大なホテル業者”」である。
誰でも自分の家や部屋をネットを通じて簡単に貸し出せるため、パリや東京のような観光地に限らず世界中で利用されている。

一方、事業者であるAirbnbが建物を所有しないため、従来ならば旅館業法や建築基準法で決められている様々な制約をAirbnbは無視できる。ITによって手続きの省コストが可能になったとしても、衛生や窃盗といった問題までもサービス利用者の責任として処理して良いのかは考えものである。 今回ので既存事業者側が発表した共同声明からも、その辺りの事業コストの問題を見て取れる。

我々は世界の観光客に安全・安心を提供し、観光の健全かつ持続的な発展を遂げる為に下記の共同声明を採択し、実行を求める。
- 1.“民泊”を含め全ての宿泊施設は行政官庁への申告登録を経て、許認可を得る必要があるとすべきであり、無許可営業並びに脱税行為を厳しく取り締まる必要がある。
- 2.テロの脅威を未然に防ぐ為に、“民泊”を含め全ての宿泊施設は宿泊者の対面確認と記録の保存をすることが必要である。
- 3.“民泊”を営むものは他の宿泊施設と同様に納税、衛生管理、消防の義務を負わなければいけない。また近隣住民に対する告知の義務を負う必要がある。
- 4.“民泊”を仲介するプラットフォーム提供事業者は、“民泊”を含める全ての宿泊施設が正式な許認可を得ているか確認しなければいけない。また、プラットフォーム提供事業者は税務署に対して宿泊施設の所得を開示する義務があり、その他宿泊地の法令を順守する必要がある。
- 5.“民泊”を含む違法な宿泊業者、プラットフォーム提供事業者の罰則を強化することが観光の発展に必要である。

既存事業者が幾つかの方によって守っている規則をAirbnb側も守れ、というだけの話なのだけど、実際に規制が始まるまでは後1〜2年ほどは掛かってしまうだろう。

既存制度を守る以外の政治戦略

一方で、成長が著しいユニコーン企業ゆえの政治戦略もあったりする。例えばUberの次の記事。

つまり自社の儲けが出ている間に、その利益を社会が抱える問題の解決に還元することで、世間からの風当たりを弱めようとする戦略。ポイントは自社のサービスをその中に組込んでしまうこと。
ここで書かれているような軍人に限らず、プロスポーツ選手などのセカンドキャリアを考えると意外と教育コストの高さがネックとなっており、それらに対してIT利用と合わせて教育が行えるのは社会全体としても悪くない方法のように思える。

日本のベンチャー企業界隈でも社会制度との兼ね合いの中で様々な問題を議論できるのが望ましいのだけど、上場ゴールばっかり取り沙汰されて悲しいね、というお話。