千葉県市川市の今年4月に開園予定だった保育園が住民反対によって開園を断念した、というニュースが話題のようだ。
ニュースを読むと反対の理由に「保育園の騒音」がよく挙げられているが、どうやら必ずしもそうではないようなので取り上げてみる。
NHKニュースから引用。
冒頭
千葉県市川市で、今月、新たに保育園を開園する予定だった社会福祉法人の計画が、子どもの声でうるさくなるなどとして周辺の住民が反対したことを受けて中止されていたことが分かりました。
事業者の声
社会福祉法人の理事長は「これまでに付近の住民を対象に説明会や意見交換会を合わせて3回開いたが、子どもの声がうるさいとか、保育園に面する道路が狭く出入りする車が危険だといった反対の意見が多く、開園を断念した。近隣の協力を得ないと運営はできず、残念です」と話しています。
住民の声
孫がいるという60代の女性は、「反対する気持ちも分かるような気がします。予定地だった辺りは道が狭くて曲がりくねって道路事情がよくありません。子どもを車で送り迎えするとなると、危ないと思います」と話していました。
Twitter上の意見
またこんなまとめもあった。
この狭くて車が
— ハムスターの銀次(写真集第2弾発売中) (@kawanabesatou) 2016年4月12日
ガンガン通る道に保育園は
危ないでしょっていう反対が
なぜか子供の声が騒音の為
反対ってなってて
非常に納得がいかないわけですが(;´・ω・) pic.twitter.com/y1hQP8JjVm
反対の理由は子どもの発する騒音ではなく、道路状況であることが分かる。
もちろん、子どもの声などがうるさくないということもないであろうが、「高齢者対若者」の対立構造を煽るような記事構成が前面に出ていて非常に不愉快な記事である。
あいづちトラップ
記事内容を誘導することはよくあることのようで、少し前のこち亀に連載初期時代の苦労話が書いてあったので紹介。
こち亀も色々と苦労したんだなぁと思いました pic.twitter.com/s5mw8MDEK3
— 紅蓮(女子大生) (@guren_agni) 2016年3月29日
(初期では銃を乱射しまくってた話の後で…)
ここで「事件」がおきます
新聞の三面記事に「警察カンカン」と載ってしまったのです!!
それも三段抜きで大きく!
取材は楽しい漫画だから紹介したいという依頼でOKしました
デビュー時の通り一遍の取材が終了した後で
「警察は堅いから漫画のシャレがわかりませんよね」と言うので
「あっハイ…」と
記事には「警察は漫画のシャレが解らないと」作者が言ったと!
始めからギャグ漫画VS警察署の記事が作られていたわけです
これはあきらかに「あいづちトラップです」
事の顛末はこち亀の当該号を読んでもらえればと思います。(1巻から198巻までKindleで揃っているのは知らなかった…)
記事に煽られることなく冷静に判断していきたいけど、なかなか難しい。
余談:事業者はなんでこの土地を選んだの?
昔からある保育園は寺や神社に付属するなど地域と一体となっているのであまり気にされてなかったのだが、近年は営利(補助金)目的で保育園を経営しようとするあまり、地価や評判だけで保育園用地を確保する動きが目立つようだ。
もちろん営利目的で経営することが悪いわけではないが、よく知らない場所に土地を買ってから説明会を開いたところで問題が起きても解決するのが難しいわけで、ちゃんと事前にお金かけてリサーチするなり、購入前に地域住民と話し合いをするなど、もう少し事業の上手な進めがあると思う。
この辺り、補助を手厚くしても別の問題を誘発するのだなと改めて感じた。