企業が行政を代替する本格的な時代へープラットフォーム企業が徴税する社会ー

民泊事業のプラットフォーマーであるAirbnb社が、事業者に代わって直接納税する、という大胆な策を打ってきましたね。

エアビーアンドビー 宿泊税支払いで世界190都市と合意 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

エアビーアンドビーは各国の行政からの反発を抑えるため、新たな戦略を打ち出した。宿泊税の徴収だ。
6月9日、エアビーアンドビーは米国を中心に世界190都市とパートナーシップを結び、ユーザーから税を徴収し政府に支払うことに合意したと発表した。

普通に考えるとプラットフォーマーが直接税金を支払う方が合理的なので何ということのない話なのですが、Airbnb1社でこの手段を行政に認めさせるあたりプラットフォーム・ビジネスの規模の大きさを感じますね。

公式サイトでエアビーアンドビーは「世界各地で古い法律が障害となり、税徴収の仕組みが導入できていない。今後、各国の司法や行政機関にこの仕組みの導入を呼びかけていきたい」と述べている。

情報化社会以前においては事業者が行政に対して直接納税することが当然だったわけですが、ICTにより事業を補助するプラットフォーム・ビジネスが盛んになった現在においては、事業者自体が事業者である自覚が小さく、行政から見えない部分で少額な事業が多数行われているのが現状です。
フリマアプリのような何か問題が起きたとしても人が身体的に傷ついたり命に影響が少ないビジネスにおいてはさほど問題にならない話ですが、宿泊や介護など利用者の身体や資産に対して直接影響が出るサービスにおいては、本来ならば行政の監督下に置かれてしかるべき話なんですよね。

今回は徴税という機能の話ですが、警察権まで含めて行政機能がどこまで企業に委託されていくのか、ちょっと先行きが予想できない感じです。
この辺りは複雑なので、どこかで図でも描いて説明したいところですねー。