一部の専門委員の勝手な私案を大体的に公開する東京都のガバナンスはどうなってるんですかね。 都に電話して聞きましたが「専門委員の報告書作成のための会合の資料で、都の見解ではありません」とのこと。 大体的にニュースになってますけど、こんな杜撰な計画が発表されるなんて誰の責任なんでしょう。
以下、多過ぎる問題点の一部を列挙。パッと浮かぶだけでも多過ぎる…。
- 「豊洲市場の赤字150億円」の根拠が不明。
1:減価償却費込み(ランニングコストにイニシャルコストを分割して計上)
・総収益68億 − 総費用166億 = 赤字98億
2:減価償却費抜き(ランニングコストのみ)
総収益68億 − 総費用95億 = 赤字27億
(平成29年1月25日 市場問題PT(第5回)資料3)
また資料には「築地を改修すれば10億〜20億の赤字となるが、これくらいの金額ならば民間の企業努力で対応できる」みたいなことが書いてあるが、新しいビジネスならば建物規模大きく設備が整っている豊洲市場の方が稼げるだろう。
そもそも市場会計は東京都の会計とは独立している。全体の11市場の収支は黒字。
「豊洲の土地は用途地域を変更すれば4000億円で売却できる」
→豊洲市場の近くの地価公示価格が550,000円/㎡。豊洲市場の敷地面積400,000㎡としても2200億円。開きが大き過ぎる。
・そもそも土地を売るために都が用途地域の変更を行うのは認められるのか?株価操縦よりもひどい話。小島「3年後か5年後か、高くなるまで待ってから土地を売れば良い」
→建物建設済みの土地を5年も寝かしておくことの経済的損失を無視している。「東京駅のように営業しながら改修を…」と言うが、駅舎は建築基準法の適応外。
→仮設建築を作ってローリング改修を行うにしても、仮設建築を利用するたびに「仮使用承認」が必要。仮設であっても基準法に適応していないと仮使用の承認がおりない。ローリング工事の切り分けで建築設備を検討していない。埋設配管の位置すらあいまいな状況で上屋だけ移動したら水が出なくなったりするんですが。恐らく現状の敷地調査だけで1年はかかる。
ローリング工事は進める度に施設の位置がコロコロ変わるが、そのため警備員や案内人を何人も配置しないといけない。この人件費だけでもすごい金額になる。
「土対法にはひっかからないようにする」と言うが、埋設配管を掘り起こす時点で無理。そもそも法律から逃げることを前提に提案を作るのはどうかしてる。
江戸遺跡の範囲のため、文化財保護法にも引っかかる。工事に制限がかかるだけじゃなく、何か出土したら工事が止まる。
現状の築地市場の問題でもある交通事故への対策がない。「トラック・作業車(ターレー)、作業者、買い物客、観光客」の動線分離が話にすら挙がっていない。
「市場の休みの時間に工事車両を入れる」と言うが、その時間は一般道路が混雑している時間であり、そもそも工事の進捗が普通よりも遅くなる。
「耐震補強を行う」と書いてあるが、2階にトラック駐車場を設けるだけの耐震補強を行えば1階がほとんど使えなくなる可能性がある。
というか、現状の築地市場では耐震性能が確保できてない施設がある。首都圏直下型地震が懸念されているこの状況ならば、安全が確認でき次第すぐに豊洲市場に移転して欲しい。
工事現場の問題。アスベストの除去作業は安くもなければ簡単でもない。また「工事はホコリがまわないようにすることができる」とか簡単に言っていたが全くホコリがでない工事なんて無理。加えて、築地が渋滞で混乱して荷物が届かないなど工事現場では到底責任を取れなさそうな問題が山積み。それでも「工事はできる」と主張するならば提案者が全ての賠償責任を負ってくれ。
環状2号線を曲げたり、種地を中央区の築地魚河岸に設定するなど、「ただの提案」と言いながら周囲に勝手な計画を押し付けている。都だけでなく、国や区との調整はどうするのか。
そもそも特別協力者の「小松壽」って誰。なんでよくわからない人が資料を作ってるのか謎。
ほんと多すぎるんですけど…。多すぎて検証を放棄させるのが目的だと思えるくらい問題点だらけ。
最初にも書きましたがこんな勝手で杜撰な私案を発表するなんて、小池都政のガバナンスはどうなってるんですかね。