「ジャンプスペース」
ひとつ前のエントリ「100トンのペットボトルを使った寺」はペットボトルを再利用した建築でしたが、ここでは5年前に自分が大学の有志12人と協同して企画した学園祭のプロジェクトを紹介します。
コンセプト
現在、僕たちの周りは僕たちを楽しませるかのように、様々なものが作られてはすぐに消費されていく。もちろん、ひとりひとりの趣味・個性が重視される今ではそれらは多種多様なものになるのだけど、種類や経済・合理といった目に見えない社会のルールによって実はけっこう決まった形になる。
その中でも「週刊少年漫画」誌は、各雑誌で連載されている作品が異なるし、不定期にその連載も更新され、さらに毎週物語が進んでいくというめまぐるしく移り変わる中身を持っているのに対し、その形は厚さには差があれどひどく一様だ。そのひどく一様な形をレンガのように用いることで、意味が失われてしまった「週刊少年漫画」誌を空間にして固定できたら面白いのではないか。
左上:外観。ひどく小さく見えるがこれでも2万冊くらいは集めた。
右上:壁となった雑誌。もはや中身に意味はない。
左中:展示風景。足下に敷き詰められた表紙はアーカイブとなる。
右中:壁を積むスタディ風景。
左下:余った雑誌を階段状に積み上げて、壁より上に出ようとする子供たち。
右下:壁より上に顔を出した後、その足の下の雑誌をひとつとって読む子供。