タイトルは「ヒロシマ、ナガサキ、福島…新しい記憶の継承を考える。デジタルアーカイブズと〈記憶のコミュニティ〉とは」。
写真はヒロシマ・アーカイブのHPよりお借りしています
桜前線の北上をGoogle Earthに記録していく「さくらマッピング」(2006)に始まり、原爆の記憶をデジタルに記憶していく「ナガサキ・アーカイブ」(2010)、「ヒロシマ・アーカイブ」(2011)、2011年に起きた東日本大震災の被災記録と復興過程を記憶していく「東日本大震災アーカイブ」(2012)などのプロジェクトを手がけている、首都大学東京システムデザイン学部准教授、渡邉英徳先生の講演をゲンロンカフェに聞きに行ってきました。Twitter実況のまとめは一番下にあります。
タイトルにもあるように「コミュニティ」という言葉が非常に印象的でした。技術者がアーカイブを作る行為は、当然その共同体について深くを知ることになるわけですが、どうしてもコミュニティと上手に距離を作らないといけない作業なわけです。この点は非常に建築設計の仕事と似ていて、例えば公共施設の設計においても、共同体のあり方を左右する事業になるわけで、専門性を持って地域コミュニティにどう関わっていくのか、そういう状況なのだと思います。渡邉先生は、東京理科大学建築学科の卒業生であり、技術はIT分野なのですが、活動の問題設定とその解決方法が非常に建築学科的(俗にいう建築的思考)なのだと思いました。
今日の渡邉先生のプロジェクトは、アーカイブ以外の方向でかなり有用そう。コミュニティの話は山崎亮さんを思い起こさせたけど、手法としては藤村さんの鶴ヶ島プロジェクトと相性がすごくよいはず。各提案をGoogle earthにプロットしてログを取る。 #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
Twitterにもこう書いたのですが、まちづくりに渡邉先生のアーカイブズ・シリーズの手法は転用できそうですよね。超線形プロセスを提唱している建築家の藤村龍至氏の監修された大学課題「鶴ヶ島プロジェクト」とは非常に相性がよさそうです。つまり、情報量の増大とログのパブリック性について。この辺りに焦点を当てて、Architecture(建築学)の建物以外への応用を考えられると面白いとずっと思っています。
渡邉先生、素晴らしいレクチャーをして頂き、ありがとうございました。
次は、「逃げ地図プロジェクト」の日建設計の羽鳥さんの会に参加予定です。
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渡邉先生のTwitterアカウント:@hwtnv
渡邉英徳研究室×ネットワークデザインスタジオ
ナガサキ・アーカイブ紹介動画↓
Google Earthで実際に動かしてみたい人はこちらのリンクをクリック↓
ナガサキ・アーカイブ
ヒロシマ・アーカイブ紹介動画↓
Google Earthで実際に動かしてみたい人はこちらのリンクをクリック↓
ヒロシマ・アーカイブ
東日本大震災アーカイブ紹介動画↓
Google Earthで実際に動かしてみたい人はこちらのリンクをクリック↓
東日本大震災アーカイブ
実況まとめ↓
渡邉先生のレクチャー始まった! #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
弊社社長と大学の先輩と羽鳥さんと固まって、渡邉先生のレクチャーを見ている。
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
今日のテーマは情報の集約とアーカイブです。2006年に行った桜前線のマッピングの話から。そこから大山さんの団地のデータベースの話へ。 #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
団地は火災の延焼拡大を止めるような配置になっている、というのは全部じゃなくても一部は本当なはず。晴海アパートとか確かそう。 #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
夜間の航空写真。光だけがマッピングされる。一年間スライダーを動かしてみると、海の上の光が季節ごとに移動する。漁船の漁火。魚の動きが表れる。 #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
続いてツバルのひとりひとりをGoogle earthにマッピングするプロジェクト。「ツバル」という言葉が「沈みゆく島」を代表してしまっているところがあったが、実際に住んでいる人のコメントを浮かび上がらせると、一面的なイメージで語れなくなるところがある。 #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
ツバルの人以外にも、島の写真を5000枚程撮ってGoogle earthにアーカイブ化してある。南の島というイメージが、如何に自分たちが一方向のイメージなのか分かる。 #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
続いてナガサキアーカイブ。原爆の悲惨な記憶を語り継ぐ人が減っている。それをデジタルで保管するプロジェクト。人々の被爆した位置や写真をGoogle earthに取り込む。位置情報を合わせるのは全て手作業。 #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
ナガサキアーカイブとヒロシマアーカイブ、これは実際に触ってみないと分からないかもですが、昔の写真とGoogle earthが重ね合わさった時に浮かび上がってくる情報がすごい。一枚一枚見るのとは違う情報量。 #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
アーカイブプロジェクトは、必ずしも現地で前向きに受け入れられるわけではない。現地からは「東京ものがやりたいだけ」というイメージが存在してしまう。広島では現地の高校生とコラボレーションをすることで、現地での世代を越えた活動を行えることになった。 #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
この点はまちづくりでも同じだよなぁ。
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
渋谷駅にある岡本太郎氏の「明日の神話」は、ビキニ環礁の水爆実験と、そこで被爆した第五福竜丸をモチーフにしている。これもGoogle earthのビキニ環礁に写真と絵を保管してある。 #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
ヒロシマアーカイブの打合せは、東日本大震災の当日だった。翌日から福島第一原発からの距離や計画停電など、人々が求めている情報を見やすい形に、学生やネット上での技術者の人達と連携して視覚化していった。 #genroncaf
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
東日本大震災アーカイブ。悲劇の記録だけでなく、復興の記録もアーカイブしている。また、福島第一原発の周りに住んでいる人の意見も載せている。見てみると、自分たちが予想しているのとは違う意見がある。ツバル同様、多面的な現状を感じることができる。 #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
それにしても、渡邉先生のパソコン(google earth)の操作技術がすごい。 #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
東日本大震災ビックデータワークショップ。東大の早野先生と共同して放射性ヨウ素の分布の記録をマッピングしている。これを元に、放射性と甲状腺癌の因果関係が検討されている。 #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
報道の空白とソーシャルメディアについて。NHKの報道台本に出てくる地域をプロット。そこにソーシャルメディアでの情報を重ねている。報道空白域が分かる。大事なのは、このシステムがすぐ実用可能だということ。 #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
今、東日本大震災のデータを扱っていて自分に課しているのは、ハイエンドなソフトを使わないこと。万一自分が避難所で生活することになっても作成できるような環境を心がけている。 #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
「本人が証言を残そうとしなかったのに、アーカイブになっていく時代」…そうなんですよね…。 #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
ナガサキアーカイブのARアプリを作成している。実際の街を歩きながら過去の記憶にアクセスできる。情報を誰のものでもない仮想空間へ、その後、アプリを通して現実空間に落としている。修学旅行の生徒に貸し出すアプリとして、長崎県のプロジェクトになっている。 #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
また沖縄平和学習アーカイブも4月に正式に公開されました。 peacelearning.jp #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
渡邉先生のプロジェクトは、ITでありながらも地元と結びついたまちづくり的な側面も多分にあることがよくわかりますね… #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
自分がまとめからひとつ抜き出すとするなら、時代にあった技術でアーカイブを作っていくこと、つまり10年後なら10年後に存在する新しい技術へとアーカイブを発展させていくことが重要だ、ということかなぁ。「作る」ことと「コミュニティ」は密接な関係がある。 #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
ARアプリは、クリエイターとユーザーが近くなるような制作環境を作れるようになると、ただの受け手を乗り越えていけるものになるのでは、という話だったように思う。 #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
技術的な制約がないとしたら、、、という質問。Googleグラスですか。 #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
渡邉先生は、クリエイターとして、「作品」を意識してプロジェクトを行っている。その部分も評価の一端を担っているはず、という意見は、最後だったけど非常に本質的な言葉だと思いました。 #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日
記憶のコミュニティの対立が行われるのでは、という質問。渡邉先生の答えは、レイヤーを重ねていけることが、見る人に対しての答えになるのではないか、ということ。(Google earthが神の目線だけに)誰のものにもならないようにしている。 #genroncafe
— siskwさん (@siskw) 2013年4月18日