先週の金曜日、つまり7月3日に、わけあって坂本一成氏のアトリエを訪ね、こちらの近況報告や氏のプロジェクトの進み具合など3時間ほどお話させていただいた。氏の話し方は独特の間がある。話をする時にはいつも、その間に対して氏がどのような言葉を頭に浮かべては消しているのか想像するのが、僕の楽しみの一つである。
 年齢の離れた僕と氏がよく話す内容は、基本的に建築を取り巻く社会の状況や学生の考えなどである。特に近年は実施の仕事が多いこともあってか、氏の考えと実際の(広い意味での)現場の考えの違いの中で、いかに建築の設計が難しいかということである。今回は、現在進行中の熊本アートポリスの網津小学校のプロジェクトのお話と、現在東工大で行われている卒業設計展についてのお話が面白かった。
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坂本一成/住宅坂本一成 住宅-日常の詩学建築を思考するディメンション―坂本一成との対話新建築 2008年 07月号 [雑誌]日本の現代住宅〈1985‐2005〉