平田晃久氏によるishiitei
平田晃久氏のホームページにishiiteiという名のプロジェクトの写真が紹介されています。前回[id:arch-database:20090622]取り上げたJAの窓本とも関係がありそうなので取り上げます。写真はリンク先でご覧ください。以下感想。
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画像しかないのでそのコンセプトが正しく把握できているか怪しいのですが、一枚目の画像から考えると、「箱(1.box)」に対して「窓」を作る時に、その輪郭に箱状に折り曲げた部分(2.pleats?)を作ることにより、そこが植物(3.plants)の場所になる、ということだと思います。これは、建物のスタートを「箱」という形態で捉え、その時の生じる「窓を開ける」ということに対して窓回りの形態の操作を解答としたものだといえます。そのことが建物の内部空間に表れる天井や壁面に凹凸を与え、従来内と外をはっきりと切り分ける境界であった窓のイメージを越えて、内外の関係を曖昧にすることを可能にしています。特に3枚目の写真は、JAで藤本氏が描いていたモクバンのパースのイメージと非常に似た印象を受けます。
ここで興味深いのは植物(3.plants)の扱いです。植物は、平田氏が設定した折り曲げた部分(2.pleats?)という内外の境界部におかれるだけでなく、おそらく観葉植物として内部にもおかれるでしょう。これは、内外の関係を曖昧にするためのひとつの装置として植物が空間表現に寄与するのではないでしょうか。今回の画像では内観パースに遠景が設定されていませんが、ここで遠景にも山とか林とかの植物を描き込むと、内部から外部にそのまま緑が広がっていくような絵が描けるかもしれません。
ただ、それが建築の何かはわからないのですが。