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「豊洲市場は赤字!」を強調するカラクリ(番外編):「築地改修案は運転資金不足」のちょっとした解説

26日に市場問題PTの第8回会議があり、27日に「市場のあり方戦略本部」(以下:戦略会議)の第2回会議と続いたため、情報が増えすぎて検討が追いついてませんが、本当に「この半年間、何も進んでいない」ということがよく分かりました。

実は「築地改修案の場合は市場運転資金が不足する」という説明資料を作っていたのですが、本日の戦略会議で同じ内容が発表されていたようでちょっと安心しました。(都の職員の方、お疲れ様です)

築地再整備に財源の壁 都の戦略本部「19年度にも資金不足」 :日本経済新聞

戦略会議の資料にはまだ目を通せていないですが、市場問題PTの資料を元になぜ築地改修だと市場の資金がショートするのか分かる範囲で説明します。

結論から書きますと…「借りたお金をもうすぐ返さないといけないから」です。

豊洲市場の整備費で利用した企業債は、築地改修だろうと返却しなければいけない

このブログでよく出てくる中央卸売市場が作成したH40年までの豊洲市場の事業継続性の表があるのですが、資本的収支と正味運転資本という項目があります。(下2段)

f:id:arch-database:20170427223703p:plain

赤く塗ったところに注目してもらいたいのですが、

  • H31年の運転資本:755億円
  • H32年の企業債償還金:600億円
  • H32年の運転資本:1015億円

つまり、600億円もの企業債を返却しているのに運転資本は増加しているんですね。
これは、この表ではH32年に築地跡地を4386億円で売却すると仮定しているからです。

築地改修を決めた場合、これに加えて国庫交付金208億円も利子含めて返さねばなりません。
H32年を乗り越えても、H35〜38年には総額3000億円の償還が待っています。

つまり、早く土地を売らなければいけないし、出来る限り高く売らないといけない、という状況なんですね。

実は、築地も豊洲も関係ないんです。土地を売らないとお金がない。

しかし、豊洲の土地はすぐに売れないし高くも売れない。
容積率を緩和しないと高く売れない(と市場問題PTが勝手に言っている)とか江東区や都の他のセクションと調整が必要だったりとか、何より建物が頑丈で大きいため解体に時間もかかる。

「ロードマップに従って〜」とか「平成22年の付帯決議が〜」とか言って、のんびり検討している場合ではないのです。
一刻も早く豊洲市場に移るべきなんです。

なぜ市場問題PTは運転資金を検討しなかったのか

なによりも問題は、市場問題PTも「築地改修案ならば運転資金が不足する」という認識を持てたはずなのに、それを怠っていたことだと思います。

上の説明を読んでいただければ分かるように、(詳細な検討はともかく)土地を売らなければ運転資金が不足することは資料を見て簡単に分かるはずです。

ところが、市場問題PTは「豊洲は60年間で1兆円を超える累積赤字」という内容など、よく分からない長期間の検討をしているのです。

目の前の資金が尽きることが明白な状況なのにですよ。

分かっていて、長期の計算にすることで豊洲を赤字と印象つけたかっただけと誤解されても仕方ありません。

知事設置の専門委員には監視制度を作るべき

そんな市場問題PTですが、小島座長は都議会の特別委員会からの参考人招致を見送る意向のようです。

豊洲巡る参考人招致、小島PT座長が出席見送り意向 :日本経済新聞

4月8日に仲卸事業者に説明したのに、都民の代表である都議会の質問には答えないそうです。

間違いだらけの資料を作成し、それを勝手に公表しているわけで、このままいくと誰のチェックも受けてない報告書が戦略会議に提出されてしまいます。

ひとりの都民として、こんな知事の勝手な行動を野放しにはしないで欲しいと思います。

今日はここまで。