「逃げ地図」レクチャー@genron-cafeの自分のツイートまとめ

逃げ地図

逃げ地図の作り方

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日建設計の社員の方たちがボランティアで活動されている「逃げ地図(避難地形時間地図)」というアイデアの講演を聞いてきました。正式なレクチャータイトルは:
「『逃げ地図』東日本大震災をきっかけに開発され、Hondaのナビアプリにも搭載された地図とそのアイデアについて」

逃げ地図は、昨年はグッドデザイン賞も受賞されています。↓
地図 [避難地形時間地図(逃げ地図)] | 受賞対象一覧 | Good Design Award

全体のtweetが見たい方は、Twitterにてハッシュタグ「#nige-genron」を検索していただければ。もっと活動の全体を知りたい人は、@makawakamiさんによる逃げ地図についての一連のTwitterのまとめをどうぞ。→◇逃げ地図関連まとめ◇

レクチャーの感想


会場に、来週18日のゲンロンカフェで講義が予定されている石川初さんがお見えになっていて、上記のような質問をキメられていましたが、地図に精通している石川さんらしい深いご意見だと思いました。

個人的には、「道路」に着目したことが非常によかったのではないかと考えました。

本当に緊急な事態ならば、農地や公園だけでなく人の家の敷地だって通って逃げればいいわけです。しかし写真からも分かる通り、津波リスクを調べる「逃げ地図1.0」では避難経路として「道路」を対象にしています。これは、道路が「個人の不可侵の領域」=「公共の資産」という現代の日本の都市システムの前提を利用していると考えられます。

逃げ地図のレクチャーでは「ワークショップ」を行うことが、逃げ地図の理解に繋がる以上にまちづくりの意識へ発展するなど、その重要性が語られていたように思いますが、これもまた「道路」という公共資産を前提にしている影響もあるのでしょう。自分が利用する、誰のものでもない都市の部分。

レクチャーはゲンロンカフェで行われたのですが、東さんが高円寺などの自由について書いていたことと少し繋がるのではないかと思いました。「道路は誰のものでもない」というテーゼは、それを元に実際の道路で何かをするというよりも、それを前提にした思考を行うことによるコミュニティの再考が可能である、という視点が興味深かったです。まちづくりを考える際に、必ずしも公共施設などを利用する必要がない、とも言えます。

逆に考えると、伊藤計劃氏のSF小説である「虐殺器官(AA)」にでてくるような、人を選別する都市交通システムが登場するような場合、その公共性と対立してしまいます。その点も含めて、都市システムの今後を考える上で、道路の、それがもたらす人の輸送能力だけでなく、公共資産としての側面に注目するのは面白いのではないでしょうか。

twitter実況まとめ

以下では、忘備録として自分のtweetをまとめています。