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15人の建築家と15人の表現者による対話実験@ワタリウム美術館 その7

15人の建築家と15人の表現者による対話実験
コーディネーション・企画:藤原徹平(隈事務所)
場所:ワタリウム美術館
参加費:各回500円、それと別にバラガン展のパスポート購入する必要あり。(つまり初回は2000円)
10月29日に、上記イベントの7回目が行われたので参加してきました。
第7回のゲストは平田晃久建築設計事務所の平田晃久氏とダンサー・振付家康本雅子氏。
ここで僕がイベントの内容について書くのは、かなり主観に沿った内容になります。読む時には、「筆者が捉えた平田/康本/藤原氏の発言」であるということに注意して下さい。(以下、敬称略)

康本雅子のプレゼンテーション

康本はお子さんとお見えになっていたために、DVDを用いた藤原徹平による紹介となりました。その時に紹介された作品がこちら。

また、一青窈の「指切り」という作品の振り付けを担当しています。

平田晃久のプレゼンテーション「からまりあうこと」

続いて、平田晃久のプレゼンテーションでした。ここには一部の作品を抜粋して紹介します。
*作品の写真は全て平田明久建築設計事務所のサイトから50%縮小した後の写真を転載してます。オリジナルのサイズの写真/プロジェクトの他の写真はサイトをご覧ください。
 
house S
 
r-minamiaoyama
 
csh
 
flame frame
 
ienoie


両講演者のプレゼンテーションが終わりまして、藤原徹平を挟んで対談になりました。印象的な部分を抜粋します。

ストーリーからの脱却

藤原:康本さんは映像から発想している、平田さんは触感に触れるというかグラフィック的なものからハプニングを起こすようなもの、お互いに共通するのは画像的なものだと思いました。そこで康本さんに質問なのですが、ストーリーは徹底しているのですか?
康本:自分は思考に追従していく能力が低いと思っていて、映画を見てても話の道筋みたいなものを考えるのを放棄してしまうときがある。
平田:覚えていないよね。
康本:映像の空間にはまりたい・ひたりたい。
平田:ザクロの色という映画があって、仕掛けが連続して見ていてすごいと思う。康本さんに質問なのですけど、紹介映像で康本さんがおっしゃっていた客観的という言葉が気になるのですが、観客の前で踊るときに自分を見てるのですか?
康本:お客さんを冷静に見てますね。自分が皮膚に、全身感覚器官になった感じです。体がこう…という感覚はないですね。
藤原:練習で自分をビデオに撮ってますよね。
康本:それで冷静になってますね。
平田:事務所での模型作りに似ていますね。実際、模型は自分だけが作るわけではなくて人に作ってもらうのですが、感覚を伝えなくてはいけない。音楽とのからみしろ、別にその通りに動いてるわけではなく連鎖が起こる。
藤原:(康本さんに)一青窈さんや松尾スズキと一緒に仕事をされていますけど、人に振り付けすることと踊る事に違いはあるのですか。
康本:人によって変わりますね。その人によって魅力が変わります。人の体は全然違う。
藤原:トレーニングによって自分の体の限界を超えて表現したい事とかはありますか。
康本:いや、別にないですね。踊る事で考えるのはもっと違う感覚があるというか…踊る事によって得る感覚があって、それを得たいと思っています。
藤原:平田さんの模型は、他の人が作っても平田さんが作った生々しさがありますよね。
平田:きっとそれは、伝える事に関して僕が神経細胞が所員につながっているような感覚になりたいからですね。三次元を二次元に一回落とすということに近いです。プロジェクトは振れ幅があって、そこにどう働きかけるのかということが大切だと思います。
藤原:平田さんは、スチレンボードとかでスタディするのが当たり前だった時代にストッキングとかを使って模型を作っていましたよね。すごく触感的で魅力的でした。
平田:建築にはストーリーがあるけど、空間をストレートに作る事を切り開きたいよね。

元気・快感。

平田:康本さんの作品はストーリーじゃないけど、着ている服とかセットとかには意味があるよね。
康本:私に取っては音楽が大事な要素なのですけど、この音だったらこれだろ、という感覚がふっとくるんですね。それで、つなげていくとあーなる。自分はそういう意味があるようには作ってません。
藤原・平田:かっこいいね。
平田:なんで建築だけが意味とか引いた目線からやっているのだろうね。
康本:キャベツの話(*平田さんのスライドにあったキャベツやこもちこんぶを建築だと思って見るという話)が面白いです。ダンス的で。平田さんとご飯を食べたら食べ物を覗きながら食べるみたいな。
藤原:こもちこんぶの話は触感的だよね。けど平田さんは頭がいいですよね。おじさんの壁を越えるためにね。建築ってもっと自由でいいと思う
平田:木が生えて文句を言う人がいない。自己顕示欲ではなくて探究心、生き物が環境を作るように建物を作りたい。今は街が触発的でないと思います。ほんとなら街って元気が出るのに。
藤原:(康本さんに)変わった場所や空間で踊ってみたいとおもいますか。
康本:場所に対して触発される感覚はありますね。ただそのような場所に行くと、そこにまみれたくなっちゃう。一日一人でそこにいさせて欲しいと思っちゃう。
平田:体があることが障害だと思うことはないですか。
康本:動きの面白さには感心が向かいませんね。自分にとっての面白い動きは快感のツボを押す事。地味な動きでも快感はでるよね。最近はあがいていてもどうにかなるかな、という気がする。自分が言ってはいけないのですけど。何回も練習したものは、お客さんの前に出るとストーリーがばっちりあるというか…説明しにくい感覚なのですけど…

都市計画再考

藤原:平田さんに質問なんですけど、何でも作れるとすれば何を設計したいですか。
平田:エコロジーといって部材を扱う事で環境を制御する事に注目されているけど、これだけ多くの人が東京に集合しているのなら、その人達が大きな同じ空間に集まってその空間を暖めたり冷やしたりすれば、エコロジーになると思うんですね。そのようなある程度以上の多くの人や用途が集まったひとつの建築が作りたいですね
藤原:港区くらい?
平田:いや、全然考えてないのですけど。昔、そのような大きな都市プロジェクトは失敗したといわれているけど、昔失敗しただけで今ならできるんじゃないかと思います。
藤原:丹下さんやバックミンスターフラーの描いた昔の都市を覆ったドローイングが受け入れられなかったのですが、今、形を変えて同じような試みをしてみてもよい気がしますね。
平田:宇宙船地球号という考え方で、フラーは20世紀的な手法で地球全体を覆ってしまった。


抜粋は以上です。感想は別エントリにまとめます。お待ち下さい。